紀伊國屋書店新宿本店ブックフェア「じんぶんや」
紀伊國屋書店新宿本店ブックフェア「じんぶんや」第29回
「《境界》の彼方―ボーダー文化論入門 50冊」
紀伊國屋書店新宿本店5階人文科学書売場にて設けられている月替わりのブックフェアコーナー「じんぶんや」。第29回目を迎えた今回は、アメリカ文学研究者の越川芳明氏に「《境界》の彼方―ボーダー文化論入門 50冊」のテーマのもと、珠玉の50冊を紹介頂きました。
http://www.kinokuniya.co.jp/04f/d03/tokyo/jinbunya.htm
じんぶんや第29講「《境界》の彼方―ボーダー文化論入門 50冊」
越川芳明氏の近著『トウガラシのちいさな旅―ボ−ダ−文化論』(白水社)を中心に、国境、人種、ジェンダーなど、あらゆる《境界》を見つめ直すための、珠玉の50冊を紹介します。米国のラティーノの動向や心を知るのにも必携です。
「ボーダー」とは、越川氏いわく「安住の地をきめない、その非定住性(移動性)、すばっしこい機動力、そして、防御のために、ときには肌の色を変え、嘘もつく「カメレオン」のような能力ゆえに、境界のどちら側からも、煙たがられ、異端視され、抑圧される「小さな声」とのこと。氏のメッセージで注目するのは、この「声」こそが、「国家」や「民族」「性差」「階級」という、いまでもなお厳然と横たわる、「差別」という“根源的な問題”を見つめ直す力になるということではないか、ということです。
氏によって紹介されている「ボーダー文化論」の書き手とは、「亡命者の視点」を有するアウトサイダー(エドワード・W・サイード)であり、その独特の「二重の視点」をもって、我々の住む世界の「狭隘なイデオロギー」の内部をすり抜け、差異を浮き彫りにさせる貴重な論者です。
まさにこの混迷を極める現代において、我々が「差別」を越えて“個々の人間”に立ち帰る機会を与える、注目すべき「文化の担い手」なのではないでしょうか。だからいま、「じんぶんや」は「ボーダー」に熱い視線を送ります。
■日時|2月5日(月)〜3月上旬
■場所|紀伊國屋書店新宿本店5階 人文科学書売場
●「じんぶんや」とは?
2004年9月より、紀伊國屋書店新宿本店5階売場に設けられた月替わりのブックフェアコーナー。「じんぶんや」に並ぶ本を選ぶのは、編集者、学者、評論家など、その月のテーマに精通したプロの本読みたち。「世に溢れかえる書物の山から厳選した本を、お客様にお薦めできるようなコーナーを作ろう」と考え、売場の書店員が立ち上げました。
http://www.kinokuniya.co.jp/04f/d03/tokyo/jinbunya.htm
■今回の選者プロフィール
越川芳明(こしかわ・よしあき)
1952年千葉県銚子市生まれ。筑波大学博士課程単位取得中退。明治大学教授(アメリカ文学)。90年代後半から、ボーダー・ピープルの「声」と「歌」を聴くために、精力的に現地調査(ルビ:フィールドワーク)を行なう。主な著著に、『アメリカの彼方へ――ピンチョン以降の現代アメリカ文学』(自由国民社)。主な訳書に、J・ハスケル『僕はジャクソン・ポロックじゃない。』P・ボウルズ『真夜中のミサ』(以上、白水社)、S・エリクソン『真夜中に夜がやってきた』(筑摩書房)、R・クーヴァー『ジェラルドのパーティ』(講談社)ほか多数。主な編著に、『世界の作家32人によるワールドカップ教室』(白水社)など。
●越川芳明ゼミサイト
http://www.isc.meiji.ac.jp/~nomad/koshikawa/profk.htm
http://www.isc.meiji.ac.jp/%7Enomad/index.htm
●『トウガラシのちいさな旅ボ−ダ−文化論』 (越川芳明著、白水社)
税込2,625円2006年12月刊ISBN 9784560027943
熱い!辛い!濃い!“ボーダー文学・映画・音楽”に身を焦がせ。ギターの音に誘われて、米・メキシコ国境から、中米、モロッコ、沖縄へ。境界を旅して十余年、待望の評論・エッセイ集。